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【第16話】仏のように温厚な夫にDQN893「痛い目を見る前に金出せ」と肩を掴んだ瞬間...
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 タクマ「そんな事には なりませんよ。 警察の介入がお嫌なんでしょう? なら、ご希望通り、すぐ話がつく 方法をとるのがいいと思います。 僕も時間がもったいないという お考えには同感です...
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本編
嫌な空気だとは、例のタイゴと
リマも感じたようで、
最初こそ勢いが良かったが、
ビルの中へ入り、事務所へ
向かって歩き始めると、だんだん
落ち着かない様子になってきた。
おっかなびっくり、
タクマについていくという感じ。
やがて、5階フロアに。
問題の事務所前まで来た。
社名が掲げられている。
株式会社・スカっと建設
という看板。
しかし、企業の看板にしては、
やけに立派というか。
これ、もしかして杉の一枚板で
できていない?だとしたら、
けっこうな高額だと思う。
ドキドキしながらタクマに従って、
室内に入る。
リビングのドアが開いた。
私も、絡んできた男女も、
その一瞬で凍り付いた。
社長「おう、お疲れ」
窓を背に、豪華な木製の机の前で、
頬杖をついている男性とご対面。
それだけなら、
フリーズしなかったと思う。
全員が固まったのは、
社長を取り囲む社員らしい
男性たちが、一人残らず
尋常じゃない様子だったから。
具体的に言うと、
みんな作業着姿ではあるのだけど、
上着を脱いでいる人がちらほら。
そして一人の例外もなく、
ゴージャスな「絵」を
背負っていらっしゃる。
ファッションタトゥーとかいう、
そんな可愛いものじゃない。
完全にアートだ。
俗にいう「裏社会」のアート。