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【第5話】仏のように温厚な夫にDQN893「痛い目を見る前に金出せ」と肩を掴んだ瞬間…

前回の内容はこちら▼

【第4話】仏のように温厚な夫にDQN893「痛い目を見る前に金出せ」と肩を掴んだ瞬間...
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 タクマ「僕が持ちましょう。 お宅はどちらですか?」 さらっと言えてしまうのが、 彼のいいところだと 私は常々思っている。 先日も、近所で立ち往生していた、 かなりの高齢女性を発見。 ...

1話から読みたい方はこちら▼

【第1話】仏のように温厚な夫にDQN893「痛い目を見る前に金出せ」と肩を掴んだ瞬間...
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本編

高齢女性「あんた、仏様のような

お人だねえ」

 

タクマ「そんな事は無いです。

困ったときはお互い様だと

思っているだけですよ、

それじゃお大事に」

 

だいたい600mほど歩いて、

無事に指定された一軒家に到着し、

出てきた家の人に女性を

引き渡したら、すぐに立ち去る。

お礼を、と声をかけられたけれど、

タクマは軽く振り向いて

「要らない」と首をぶんぶん

横に振ったものだった。

 

タクマ「待たせちゃってね、

ごめん。クミコは先に

帰ってても良かったのに」

 

クミコ「そうはいかないわよ。

あの女性のハンドバッグ、

私が預かったんだもの」

 

私も彼について行っていた。

女性の荷物は私が引き受けたから。

それに、いくら人助けといっても

このご時世。男性が一人で、

高齢とはいえ女性を抱え上げて

歩くのは、人目を引いてしまう

だろうし、何かあっても困る。

 

せめて妻が同行していたら、

変な誤解は避けられるかなと

思ったので、

私は帰らなかったのだ。

それを説明すると、

タクマは神妙な顔をして

 

タクマ「そうか、なるほど。

クミコはあのお婆さんと、

俺も助けてくれたんだね。

クミコは優しいね、

ありがとう。助かったよ」

 

真面目にお礼を言ってくれた。

ほんと、お人よし。

そこが好きなんだけどね。