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本編
スカオ「カヨコが泣いて
実家に帰ってる?
それは本当ですか」
義父「本当に決まってる!
今も俺の目の前で泣いてるんだぞ!
責任を取って離婚しろ!
あと、慰謝料もだ!」
ふーん。
コーチの一人称が「俺」ねえ。
今まで一貫して「私」だったのに、
いきなり「俺」とはねえ。
どうやらこのドッペル野郎は、
コーチについて何も知らないようだ。
この件は、おそらくカヨコも
関与しているはず。
だからこそ、俺のスマホに「義父」
からのメッセージが届いた。
俺本人を除けば、カヨコしか
俺のスマホに何かの手を加えることが
できる人物はいないのだから。
しかし間抜けなやつだな。
何かをするにしても、コーチの名を
借りるなら、人物像くらい実の娘に
聞いておけばいいものを。
カヨコもカヨコで、詰めが甘いぞ。
やる気を疑うね。もう、
送信されてくる一文字一文字が
俺に有利な証拠の
積み重ねにしか見えない。
スカオ「落ち着いてください。
だとしても、まずは
話し合いが先決です」
義父「うるさい黙れ!
離婚と言ったら離婚だ!
おまえが家にいない、
これが動かぬ証拠なんだ!」
やれやれ。
人間、やっぱ冷静じゃなければなぁ。
興奮している時に行動を起こすと、
ほぼほぼ何らかの失敗を
やらかすものだ。
どう考えても、これはカヨコと
何者か、いやはっきり言ってしまえば
浮気相手。二人の共謀に違いない。
俺も、認めるのが怖くて
なあなあにしていたが、
薄々ながら嫌な予感はしていたのだ。
俺が麻雀に誘われたという話を、
ロクに聞いていなかった態度から
して、無断で夜遅くまで外出
=不倫というお粗末すぎる図式が、
脳のどこかで発生したのだろう。
リビングのカレンダーをちらっとでも
見ていれば、こんな半グレでも
遠慮するような無理筋のいちゃもん
を、つけてくるはずがないんだが。
俺はため息をつきながら、カヨコ父と
麻雀仲間にやり取りを見せた。
彼は、普段の自分なら使わない
だろう、あまりにも崩れた
言葉遣いを見て絶句していた。