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【スカッとする話】母親の葬式で会社を休んだ俺に上司が「ババアの葬式ごときで休むな!クビだ!」【第6話】
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本編
スカ太郎「父さん」
姉「お父さん、大丈夫?」
俺達が声をかけると、
父は弱々しく、
伏せていた顔をあげた。
母が心配でたまらない
という表情をしている。
父「二人とも、来てくれたのか。
俺は大丈夫だ」
思い切り強がっている
ようにしか聞こえない。
父は相当ショックを
受けたようだった。
俺と姉も、ベンチに腰掛けた。
長い一夜が明けた。
母は一応、命だけは取り留めた。
しかしまだ予断を
許さないという。
集中治療室に入り、意識も無い。
父「とりあえず、
母さんは助かった。お前達、
ここはもういいから、
帰りなさい。
仕事があるだろう」
姉「休むわよ。
仕事どころじゃないわ」
姉は即答したが、俺は
同感ながらも「休む」とは
言えなかった。
やりかけの仕事がある。
同期や後輩に頼むとしても、
引き継ぎは省略できない。
俺は少し考えて
スカ太郎「ちょっと会社に
顔だけ出してくる。
用事が済んだら、
またすぐこっちに戻るよ」
返事をした。
時間は朝の7時だ。
一番早く会社に来るやつでも、
まだ来ていないだろう。
誰も居なくてもいい、
最低限、メモだけでも
残しておかなければと、
俺は思った。
うちの会社は、役員以外は
原則として車通勤禁止だ。
駐車場が足りない。
承知しているが、とても一旦
家に帰り、車を置いてから出勤
という気分にはなれなかった。