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本編

あの時助かって、本当に良かった。

ホストに貢ぐ金の為に

●されたんじゃ、

死んでも死に切れないじゃないか!

あの時、死にかけながらも諦めず、

ボタンを押して訴え続けて、

本当に良かった。

命を取り留めたおかげで、

こうしてエミコの犯行を

暴くことが出来たのだから。

 

離婚の報告も兼ねて、俺は両親に

事件の事を全て正直に打ち明けた。

両親は驚きのあまり、

しばらく言葉を失っていた。

特に母親は、エミコのことを

実の娘のように可愛がっていたので、

相当ショックを

受けていたようだった。

 

両親は俺が助かって本当に良かった

と、涙を流して喜んでくれた。

俺は両親からの愛情が

本当に嬉しかった。

両親とはその後、以前より

頻繁に会うようになった。

エミコのおかげと言うのも変だが、

俺はあれから1日1日を大切に

生きられているように感じる。

ただ懸命に生きているだけで、

毎日が素晴らしいもののように

思える。

 

家は引っ越し、

今は自由な一人暮らし。

仕事は相変わらず忙しいが、

職場の仲間には恵まれていると

感謝している。職場では、

心配してくれた上司と、

仲の良い同僚にだけ、

事件のあらましを報告した。

 

同僚は未だに独身なので、

「女って恐ろしいな!やっぱり、

独身が一番だ!!」などと言って、

明るく笑い飛ばしてくれて、

俺の気持ちは随分軽くなった。

 

この先の人生、もしかしたら

再婚もあるかもしれないが、

今のところは同僚と2人、

花の独身生活を楽しもうと

思っている。

 

おわり