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本編

医者「いやその……う〜ん……」

 

医者はしばらく黙り込み、

何かを考えている様子だった。

俺は一瞬、蕎麦のような

アレルギーか?とも思ったが、

それならば、初日から

症状が出ていただろう。

 

医者がヨモギに拘る理由が、

俺にはサッパリ分からなかった。

やがて、医者は話しにくそうに

言い淀みながら、説明を始めた。

 

医者「え〜っと…これは、

あくまで可能性の話なんですが…

もしかしたら…ヨモギの中に、

ヨモギに似た毒草が、

混入していたのかもしれません…」

 

スカオ「毒草?!」

 

医者「はい。トリカブトという、

猛毒を持つ毒草が有るんですが…」

 

スカオ「え?!トリカブト!?!?

聞いたことあります…過去に

殺人事件があったっていう…」

 

医者「はい…トリカブトの毒は、

植物界で最強の猛毒と

いわれているんです…

新芽の形がヨモギによく似ていて、

誤って口にした場合、

手足のしびれや呼吸困難​​、

最終的には心臓麻痺を引き起こし…

最悪の場合、死に至ります…

食べた訳では無くても、

トリカブトの毒は、皮膚や粘膜からも

吸収され​​るので…」

 

スカオ「………………」

 

医師の挙げた症状は、

今回の俺の症状にほぼ合致していた。

 

医者「いや、まだ可能性の話ですよ?

それに、もし今回の症状の原因が

本当にトリカブトだったとしても、

最近毎日ヨモギ風呂に入って

おられたという事ですからねぇ……

故意ではなく、今日使われた分に

だけ、誤って混入してしまっていた

のではないかと…」