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【第5話】893「俺達○○組だぞ!」→俺の職業も893だと伝えると…
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 俺は若干ムッとしながらも、 ぶつからないよう注意して 運転を続けてたんだけど、 派手な車はしつこく煽り運転を続け、 一向に先に行こうとしない。 (しつけぇな!ドライブレコーダーが 有...
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【第1話】893「俺達○○組だぞ!」→俺の職業も893だと伝えると…
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本編
柄シャツ「んだとコラァ!!
ナメた口聞いてんじゃねぇぞ!!」
柄シャツが叫ぶ背後で、派手な車の
ドアが再び開き、今度は黒ずくめの
男が降りてくるのが見えた。
黒髮のオールバックに黒いグラサン、
口髭&あご髭、そして妙に
ツルツルテカテカした
黒いシャツと黒スーツ。
興奮して怒鳴り続ける柄シャツとは
違い、気だるげな様子で
俯きながら歩いてきた黒ずくめは、
柄シャツの斜め後ろに立つと、
おもむろにオールバックを
手で整え始め、わざと
カスレさせたような声を出して
柄シャツをたしなめた。
黒ずくめ「まぁ落ち着け…
シロウトさん怖がらすんじゃ
ねぇよ…」
柄シャツ「はいっ!
すみませんアニキ!!」
ゆっくりと前に出た黒ずくめは、
自分達の車のバンパーを
撫でながらつぶやいた。
黒ずくめ「あ〜あ〜…ここ、
傷がついてるじゃねぇか…」
(は?傷?どこに??)
俺はもう一度、黒ずくめが
撫でていた箇所を確認したが、
もちろん傷など全く
ついてはいなかった。
すると背後で、
俺の車のドアが開く音がした。
俺が腰を上げて振り返ると、
柄シャツと黒ずくめも
そちらに目を向けていた。
黒ずくめはグラサンのせいで
表情が分からなかったものの、
柄シャツの方は、先に降りてきた
理事長を見た途端、一瞬ビクッと
して、怯えた表情を浮かべた。
俺は(理事長のガタイの良さに
ビビって、このまま引いて
くれたら…)と願ったが、
続いて降りてきた親父を見た
柄シャツは、バカにしたように
鼻で笑った。