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【第15話】妻が入った風呂の後に、なぜか毎日ひもがある→後日、俺は救急搬送され…
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本編
仕事の間は忘れていられたエミコへの
疑惑が、再び首をもたげ、
慣れ親しんだ帰り道が、
心なしかどんより暗く見えた。
家で食事を取る気になれなかった
俺は、エミコにメッセージを送った。
スカオ[昨日休んだから
仕事が溜まってて…
残業になるから晩飯は食べて帰る]
既読になったものの、
エミコからの返信は無かった。
俺は時間を潰す為、ネカフェに行き、
トリカブトの毒や事件について
検索しまくった。
ちょうどいい時間になると、
俺は駅の近くの牛丼屋で
夕食を済ませて家に向かった。
俺は気まずさを押し殺し、
大きく息を吸ってから、
ゆっくりと玄関のドアを開けた。
スカオ「ただいま〜」
エミコ「スカオお疲れ様〜!
体調どう?大丈夫〜?」
不自然な程に明るいエミコの
出迎えに、俺は一瞬言葉を
詰まらせた。
スカオ「あ…あぁ…大丈夫だよ。
心配かけて悪いね」
エミコはすぐに背中を向けて、
リビングに入ってしまったので、
本当はどんな表情を
していたのか分からなかった。
カバンを置いて風呂場へ向かうと、
またもやヨモギ風呂の匂いが
漂っていた。
俺は思わず目を閉じて、
絶望感を押し殺した。