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本編

ツヨシ「車止められて困るのと、

俺の車にひかれて困るのと、

どっちがいいんだ?

車にひかれたら、

あの世で困ることに

なりそうだよなぁ?」

 

何て事を、笑いながら言うんだろう。

でも兄ならやりかねない。

脅しとは思えず、私はひるんでしまった。

その隙を突くようにして、

車はすごい勢いで飛び込んできた。

 

スカミ「きゃーっ!」

 

ツヨシ「おー、よく避けたな」

 

ミリア「あっぶなーい。

おとなしく預かるっていえば、

車にかすられずに済んだのにねぇ」

 

ツヨシ「こいつ、バカだから。

痛い目見ないとわかんねえんだよな」

 

ぎりぎりで、引っ掛けられる

ところをかわしたが、

尻もちをついてしまった。

倒れこんだ私を見て、

兄夫婦はげらげら大笑い。

悠々と、車から降りてきた。

 

ツヨシ「んじゃなー。

新婚旅行に行ってくるわ。

1年は帰らねえから」

 

通帳をひらひらさせ、兄はにやついていた。

兄嫁となったミリアも、

楽しそうに浮かれた様子で、兄と腕を組んだ。

電車に乗り換えて、空港へ向かうのだろう。

 

ミリア「管理人でしょ?

預かり、よろしくねえ」

 

何も言えないでいる私を、

見下したような目で見て、

二人は高笑いしながら去って行った。

私は立ち上がると、すぐに足を東へ向けた。

祖父と相談しなければ。

絶対に、このままでは済まさない。

 

1年が経った。

私は、祖父が本格的に引退するという事で、

他の駐車場管理も引き継いでいた。

住宅街の中にある規模が大きい駐車場、

駅裏、西側ビジネス街の一角。

管理にはなかなか時間がかかる。

むしろこちらを本業にしなければ、

手が回らないくらい。

相談の末、事務所を設立した。

法人化して、本格的に駐車場ビジネスに

乗り出したのだった。

 

そんなおり、兄夫婦が帰国してきた。

きっと、両親の保険金を

使い切ったのだろう。

お金に余裕があれば、

まだ海外だったかもしれない。

 

帰ってきたと分かったのは、

電話がかかってきたからだ。

兄嫁ミリアが

 

ミリア「今帰ったから。

車、ありがとうねー。

1年預かってもらって」

 

のんきに言ってきた。

私は、軽く呼吸を整えた。

 

スカミ「何の事ですか?

うちに駐車場はありませんけど」

 

ミリア「え?」

 

スカミ「ですから、

私の家に駐車場はありません。

以前から言っていましたよね?」

 

ミリア「あんた何言ってるの?

ツヨシに代わった方が話が早そうね」

 

しばらくして、兄が電話に出た。

 

ツヨシ「何を寝ぼけてんだ、おまえ。

俺をなめてるのか?」

 

スカミ「そっちこそ、

何を寝ぼけてるの?

うちに駐車場はない、

それが事実ですから」

 

ツヨシ「電話でごちゃごちゃ

言っててもしょうがねえや。

マンションの前に来い」

 

一方的に言って、電話を切る兄だった。

私は、事務所設立後に雇った

男性従業員を連れて、

指定の場所へ行った。

待っていると、

駅の方面から兄夫婦がやってきた。

 

マンションの正面に、

4台分の駐車スペース……は、無い。

もちろん車もない。

何か言おうとした兄はぼう然とした。

 

スカミ「お電話で申し上げた通りです」

 

ツヨシ「ちゅ、駐車場は!?」

 

スカミ「無いです。

正確に言えば、移転しました」

 

ツヨシ「移転!?」

 

私は、とある書類を兄に突き付けた。

それは駅前再開発に伴う

道路拡張の通知だった。

兄達が海外へ行ってすぐ、

駅の周辺は公共事業で

いろいろ工事が入ったのだ。

祖父の所有していた

4台分の駐車スペースは、

市が買い上げて、歩道に変更されている。

 

兄の車は残置物と判定された。

持ち主に車の退去を求め、

反応がないため裁判所で公示を行う。

これでも移動がされなかった場合、

所有放棄と見なされ、

法的に「残置物」と扱われるのだ。

裁判所から執行官が派遣され、

私が立ち会って、車は撤去された。

しかも、車検切れになっていたので、

処分相当となったのだ。

 

ツヨシ「ふ、ふざけんな!」

 

スカミ「文句があるなら裁判所へどうぞ。

市を相手取って訴えれば?

市は法律にのっとってるから、

勝てる見込み無いけどね」

 

ツヨシ「く、車は⁉」

 

スカミ「さあ?

裁判所が持って行ったけど、

あとは知りません」

 

兄夫婦は慌てて

裁判所の方向へ走って行った。

いまさら行っても、

どうにもならないけどね?

 

ちなみに、兄には罰金も科される。

市の公共事業を邪魔する残置物放棄、

これは不法投棄にあたるのだ。

重罪だと聞いている。

何しろ、道路にまつわる工事を、

不法投棄で邪魔した場合、

罰金はなんと1千万円。

悪質なら懲役刑もありうる。

車の投棄は道路交通法にも違反する。

兄が受けるさばきは、強烈になるだろう。

 

予想通り、兄夫婦は逮捕された。

主犯兄、ミリアは共犯。

しかも兄嫁は、私の個人情報を

漏洩したということで、勤め先だった

引っ越し業者からも訴えられた。

 

罰金800万と懲役1年、執行猶予3年。

これが兄に下された裁判の結果。

ミリアの方は、個人情報保護法違反で

罰金50万、民事でも勤め先に

損害賠償を請求され、

その額は300万だったと聞いた。

 

海外で、せっかくの保険金を

使い果たした兄は、

罰金の支払いができない。

前のように私を脅したら、

執行猶予は即座に取り消しで、

塀の向こうへ行ってらっしゃいとなる。

さらに、法的な支払いは自己破産しても

免責にならないので、

今後の兄の苦労は

とんでもないものになるだろう。

 

私は、管理業に本気で取り組んで、

今は駐車場だけでなく、

マンションの管理業務にも

事業拡大を狙っている。

元手はあるし、あとは勉強するだけだ。

もう兄に困らされることもない。

今後の人生は明るいに違いない。

 

…完

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