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【第19話】退院後の母が別人になっていた→その後知った最悪の真実に震えが止まらず…
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本編
電話の向こうからは、戸惑いと共に、
何か、感極まっているような
雰囲気が伝わってきた。
スカミ「母は今、どこで何を
しているのか、連絡先などは、
ご存知ではないでしょうか?」
山口さん「スカミちゃん…
そう呼んでもいいかしら?」
スカミ「はい」
山口さん「スカミちゃん、
あなたのお母さんはね…あなたが
5歳の時に、亡くなったのよ…」
山口さんは声を震わせながら、
気の毒そうにそう告げた。
それから、ショックで言葉を失う私を
気遣いながら、ゆっくりと、母の話を
聞かせてくれたのだった。
母は、癌で亡くなっていた。
癌が見つかった時にはもう既に、
手の施しようがないほど
進行してしまっていたらしく、
余命半年と宣告されたらしい。
母は治療を諦め、その代わり、
出来る限り私と一緒に時間を過ごし、
ひとつでも多くの思い出を残して
やりたいと言っていたそうだ。
(それで毎週のように、あちこち
連れて行ってくれていたんだ…)
そして母は、癌が見つかる以前から
父の浮気に悩み、山口さんに
相談してたということだった。
父は、母の癌が発覚すると、
余命わずかな母に寄り添うどころか、
浮気相手の所に堂々と入り浸り、
ほとんど家に帰って来なく
なったらしい。
(やっぱり、お父さんは
浮気をしていたんだ…しかも病気に
苦しむお母さんを無視して…
そのくせ、お母さんが私を捨てて
浮気相手と逃げたなんて言って…
許せない!!!)
母は、体調がつらい中、ギリギリまで
家事をこなし、私の世話を続けた。
母の両親は既に亡くなって
しまっていたため、母は誰にも
頼ることができなかったそうだ。