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本編
マサト「体温計って、
どこにあるんだっけ?」
(ついこの前、自分も使った
でしょうに…あ…私が持って来て
計ってあげたんだった…)
スカコ「私の事はいいから…マサトは
朝ごはん食べて、会社に行って…
もうほとんど準備出来てるから…」
マサトは、アレはどこだ、
コレはどこだと言いながらも、
食事を終えて出て行った。
私はソファーで横になったまま、
少し様子をみていたのだが、
具合はマシになるどころか、
どんどん悪くなっていくようだった…
(マズい…このままだと、救急車
呼ばなきゃならなくなるかも…)
私は仕方なく、動けるうちに
一番近い病院に行く事にした。
一番近い病院は総合病院なので、
かかりつけ医の紹介状が無いと
初診料を取られてしまうのだが、
この状態で少し離れたかかりつけ医
まで行くのはツラい…
私はヨロヨロと起き上がり、保険証や
財布をバッグに入れて、フラつき
ながら必死で病院に向かった…
病院の入口までどうにか
自力でたどり着いた私だったが、
そこで少し休憩しようとしゃがみ
込んだまま動けなくなってしまった。
それに気づいた警備員さんが
駆けつけてくれて、受付前の
ソファーまで連れて行ってくれた。
朦朧とする意識の中で、職員さんや
看護師さんとやりとりし、
次に体温計を渡された。
看護師さんが確認すると、
40度を超えていたらしかった…
そのあとはずっと目を閉じたまま、
倒れないようにだけ意識を集中
させて、あとはされるがままだった。
看護師さんも先生に報告してくれた
ようで、優先で診察してもらえる事に
なったと言われ、
車椅子に乗せられて連れて行かれた。
血液検査や肺の検査など、
言われるがままに腕を出したり、
息を吸ったり吐いたり、
立ったり座ったり…
その間も具合はどんどん悪くなり、
まっすぐ座っているだけでも
辛かった。
ベッドに寝かされて
検査結果を待っていると、
普通の落ち着いた態度だった先生が、
途中からなぜか慌て始めたようで
次第に周りの様子が慌ただしくなり、
何人もの先生方が集まり始めた。