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【第8話】バスでキチママに「イヤホンの音漏れがうるさい!」と叩かれた→私「補聴器です」と見せると…
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本編
コワモテさんから叱りつけられて、
ピン子は涙目になりながら、
コワモテさんの方は一切見ずに、
既に泣き止んだ赤ちゃんを、
わざとらしくあやし続けていた。
私はため息をつきながら、
赤ちゃんを免罪符に使うピン子を
呆れて見ていた。
すると、後方の少し高くなっている
席から年配のおば様2人が
連れ立ってこちらへやって来た。
おば様A「ねぇアナタ…
〇〇・〇〇〇町の、〇〇ピン子さん
よね?ベビーカーを畳まずに
バスに乗る時はね、車輪にロックを
かけるだけじゃダメなのよ?
こういう風に……
進行方向と逆、後ろ向きに留めて、
絶対に手を離さないこと!」
そう言いながら、2人で
ベビーカーの向きを変え、
おば様Aがピン子を立たせて
ベビーカーのハンドルを握らせた。
一方、おば様Bはベビーカーの前に
まわり、赤ちゃんをあやしている
ようだった。
(この2人…長年の友人なのかな…?
流れるようなチームワーク…ピン子の
住所と名前を知ってるってことは…
ご近所さんなんだろうか…?)
おば様A「本当はね、さっき
この大きなお兄さんが座ってらした、
あの席ね。見えるかしら。
車椅子とかベビーカーのマークが
貼ってあるでしょ?あそこに
固定ベルトがあるからね、
それでベビーカーを
固定して、ちゃーんと手でも押さえて
乗るものなのよ?それがルールなの」
ピン子「な…なによ!関係ないくせに
口出ししてこないでよ!!
だいたいそんなルール
知らないし!!なんでいちいちそんな
面倒な事しなきゃいけないのよ!!」
おば様A「なんでって…
赤ちゃんの安全の為じゃないの!
それが一番大事な事でしょ?!」