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本編
父「もちろん戻って来い！
今すぐ戻って来い！いや、
俺がそっちに迎えに行く！！
ついでにタツヤを
２、３発殴ってやる！！！」
スカコ「いいからお父さん、
ちょっと落ち着いて。私はもう
大丈夫だから。本当だよ！
詳しくは戻ってからきちんと
話すから、お父さんとお母さんは、
準備を整えてくれる？
赤ちゃん用品で、レンタルして欲しい
物、買っておいて欲しい物のリストを
LINEで送るから。お願いできる？」
父「え？リスト…？準備か…
そうか…色々必要だもんな！
う、うん！そうだな…」
母「こっちは大丈夫。ちゃんと
準備を整えておくから、スカコは
気をつけて帰ってらっしゃい」
緊急事態に勢い余ってしどろもどろに
なる父と、落ち着いてしっかりと対応
してくれる母。
こういう時には母に任せておけば
安心だ。暖かく迎えてくれる両親が
居ることに感謝しつつ、
（どうか父が必要のない変なモノを
買い込みませんように…）
と、私はこっそり祈った。
それから、海外赴任の時に使った
大きなトランクを出してきて、
私と赤ちゃんに当座に必要な荷物を
詰め込み、宅配便に電話をかけて
集荷を頼み、実家に送った。
それから、その日必要な赤ちゃん
グッズを入れたリュックを背負い、
ベビーカーに息子を乗せて、
私はタツヤと暮らした家を出た。
その日の夜遅く、タツヤから電話が
かかってきた。タツヤからの着信は、
かれこれ数ヶ月ぶりだった。
（待っていた時には全然かかって
来なかった電話が、諦めた途端に
かかってくるなんて…。
何だかとっても皮肉な話だな…）
そんなことを考えながら、
ノロノロと電話を受けた私に対し、
タツヤは凄い剣幕だった。
タツヤ「オイ！！お前、
どこにいるんだ！？」
スカコ「…………」
タツヤ「もしもし！？スカコ！！
聞いてるのか？？何とか言えよ！！」
スカコ「…………」
私は無視を決め込んだ。
