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本編
サオリ「ねぇ、スカコ。
ちょっと酷なこと言ってもいい?
タツヤさんがやってる事は、
完全にモラハラだよ。
子育てに一切参加せず、
身も心もヘトヘトの新米ママを
無視し続けるなんて、異常だよ。」
サオリ「この先もし無視が
とけても、いつまた無視が始まるか、
また何ヶ月も続くのかって、
顔色を伺いながら、
ビクビクして暮らしていかなきゃ
ならないと思うよ」
スカコ「……モラハラ……」
サオリ「今はまだ、何も
分かってない赤ちゃんも、
そのうち分かるようになるよ。
父親が母親を無視し続ける家庭で、
子供が幸せに育つと思う?」
スカコ「…………」
サオリ「このまま子供に悪影響を
与えてしまう前に、
スカコ1人で子供を育てる事も、
考えるべきだと思う」
スカコ「…………」
全くその通りだと思った。
でも私はどうしても、
そのうちまた元の優しい
タツヤに戻るのではないか、
以前のように幸せに
暮らせるのではないか、
という希望を捨てられずにいた。
サオリ「まずは、選択肢を模索する
だけでもいいからさ。住む場所とか、
仕事のこととか、考えてみたら?
スカコの場合、とりあえず実家に
身を寄せることが出来るし、
仕事だって、まだ退社して3年
だから、うちの会社に
復帰する事も可能だと思うよ!」
スカコ「出戻り?う〜ん…。
それは現実的に厳しいんじゃ
ないかな〜…」
サオリ「え?そんな事ないよ!
外資系って実力主義だからさ。
そういうとこ、良い意味で
ドライだよ?辞めた時と事情が
変わって復帰してる人も、
実際にいるし!」
スカコ「そうなんだ…」
サオリ「スカコがその気になれば、
戻れるんだって事、忘れないで!
例えば海外だったら、小さな子供が
いる母親が働くのに優しい国も
あるし…。じつは私も…来月から
また海外に行く事になって…」