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【スカッとする話】彼「お前、重いわ…」→結婚直前で彼氏に捨てられた私は公園で…【第18話】
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 カズヤ「そうなんだろ? あ、あんたが…俺をこんな目に…?」 タカハシ「ええ。そうですよ」 カズヤ「なんでだよ!! ただのホームレスじゃないのか!? あんたが大株主だなんて…。 何かの...
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本編
スカミ「だけど…。
どうしてホームレスに?お家は?」
タカハシ「妻が亡くなってしまって、
家に帰れなくなってしまったんだ。
思い出が詰まった家では、妻の不在が
浮き彫りになってしまうからね。
それで家を飛び出して、
そのまま日本中を放浪して…。
あの時は、娘にも会社にも、
大変な迷惑をかけてしまった」
スカミ「そうだったんですね…」
タカハシ「私は起業して以来、
仕事一辺倒で脇目も振らずに
働いてきたから、
それまでゆっくりする時間なんて
持てたことが無かった。
だからとにかく仕事から
一切手を引いて、何も考えずに
過ごしたかった。
会社を娘に任せて、
毎日ただ妻との思い出に
浸っていたんだ。
そうやって過ごしているうちに、
気付けばホームレスに
なっていたんだよ」
胸が締め付けられるような
タカハシさんの話を聞いて、
私は何か言葉をかけてあげたいと
思ったが、相応しい言葉が
何も浮かばなかった。
貧しい中で努力し、起業して、
ただひたすらに頑張って
成功を手にしたはずなのに、
その幸せがまるで糠喜びだったか
のように、最愛の奥さんを
失ってしまったタカハシさん。
思い出が詰まった家に
帰れなくなってしまうほど、
絶望に打ちのめされて…。
話をするようになる前、
公園のベンチでいつも宙を
見つめて座っていた、
あのタカハシさんの目には、
亡き奥さんの姿が
見えていたのだろうか…。
カズヤ「あんたの身の上話なんて、
俺にはどうだっていいんだよ!!
俺が知りたいのは、なぜ俺が
あんたからこんな仕打ちを受けなきゃ
いけないのかってことだよ!!
俺の人生とあんたの人生には、
何の関係も無いだろ?!」