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本編

こんなミホを見るのは、

いつぶりだろうか…。

 

(あ…。この顔は…。ヤバイ…。)

 

ミホ「あー。もう限界」

 

そうつぶやくと、ミホはスッと

立ち上がってキッチンに向かった。

俺は(これはマズイ!)と、

慌ててミホを追いかけた。

アイランドキッチンの向こうで、

ミホが包丁を取り出すのが見えた。

包丁を手にしたミホは、

恐ろしい顔つきでリビングの方を

睨みつけ、怒号​​を放った。

 

ミホ「この、クソガキがぁーーー!!

サクラに何してくれとんじゃ

ワレーーー!!!

今、ぶち○したるからな!!!

そこで待っとれやーーーー!!!!」

 

リビングの方を振り返ると、

義両親は観念したように目を閉じ、

タクヤは土下座の姿勢から顔だけを

こちらに向けて恐怖に恐れおののき、

サクラは目をまん丸に見開いて、

ただ固まっていた。

 

(あぁ…。サクラはこんなミホ

見るの、初めてだもんなぁ…。)

 

俺は再びミホを見て、

横から視界に割って入り、

低く落ち着いた声で、あえて

ゆっくりとした口調でなだめた。

 

スカオ「ミホ、いいから落ち着いて。

気持ちはわかるけど、これはダメ。

包丁はダメ。」

 

そう言いながら、俺はミホの

手ごと包丁を握り、

「はい。離して」と包丁を没収した。

 

これほど怒り狂うミホを見るのは

本当に久しぶりだった。

結婚前のヤンキー時代、

レディース特攻隊長の時の姿を

彷彿とさせた。