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本編
それを知った義父から、
「たかが中学受験をするくらいで、
しない友達を見下すなんて、
どういうつもりだ!」と叱られ、
「そんなことなら中学受験はさせ
ない!そもそもそんな経済的余裕は、
私にも、お前の父親にも無いんだ!」
とはっきり言われてしまったらしい。
受験が出来なくなり、
その為の学習塾もやめさせられて
しまったユウは、今度は逆に
周りからバカにされ、すっかり
恥をかいてしてしまったらしい。
自分を取り巻く環境が激変したこと
で、ようやくユウは、今まで如何に
恵まれていたかということや、
失ったものの大きさを
思い知ったようだ。
私のスマホにしきりに電話や
メッセージをよこすようになった。
ユウ[ママ、ごめんなさい…。
会いたいよ…。
またあの家で暮らしたい!]
ユウ[パパはずっと怒ってる。
約束してたのに、新しい
ゲームソフトも買ってくれない!]
ユウ[僕、どうしても中学受験が
したいんだ…。ママ、助けて!]
こんなメッセージが毎日のように
来ていたが、全て既読スルーした。
しばらくすると諦めたのか、
電話もメッセージもパッタリと
来なくなった。
ついこの前まで、あれほど酷い目に
あわされても、モラオとユウを大切に
思い、愛していたはずなのに…。
今は魔法が解けたように、気にも
ならないし、全く何の未練も無い。
自分でも不思議に思うくらいだ。
今は実家の近くに部屋を借りて、
私1人で気楽に暮らしている。
いつ怒らせてしまうかと、常に
ビクビク怯えて過ごす必要もなく、
仕事をするのに遠慮もいらず、
1人がこんなにも自由で楽しい
なんて、思ってもみなかった。
結婚以来、モラオが嫌がるので
連絡をとれず、疎遠になって
しまっていた学生時代の友人達とも、
また連絡をとるようになり、
話を聞いてもらったり、
食事に行ったりもするようになった。
おまけに、バツイチになった途端、
急にモテ期が来ちゃって…。
本当に驚いている。
今はまだ、再婚なんて考えられない
し、もう結婚生活はこりごりだという
気持ちも有るので、当分の間は、
今の気ままな生活を満喫するつもり。
でも、心の片隅では、いつかまた、
今度こそ良いご縁があれば…。
とも思っている。
おわり