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【スカッとする話】私の勤務する病院に救急搬送されてきた夫。→緊急オペを開始した途端、医師と私は凍りついた.…【第20話】
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本編
引っ越しから半年ほど経った、
ある日の午後のことでした。
救急患者がひと段落し、
仲間達とホッと一息ついていると、
背後から、甘えたような大声と共に、
何者かがバタバタとこちらに
駆け寄って来ました…
タカシ「ス〜カ〜コ〜!!
なんで引っ越ししちゃったん
だよぉ〜〜〜!!」
スカコ「えっっ…?!
…タカシ…?な、なんで…?」
最後に会った時、
“気持ちの悪い中年男”
だったタカシは、
“痩せこけた気持ちの悪い中年男”に
進化を遂げていました。
スカコ「どうして…
何しに来たの!?」
怯える私に、泣きながら抱きついて
来ようとするタカシ。
汚い!!そして気持ち悪い!!!
スカコ「ちょっと!!!もう!!
くっついて来ないで!!!」
タカシ「だって俺〜(エグッエグッ)
マンションまでスカコに
会いに行ったらさ〜(エグッ)
全然知らないおばさんが
出て来てさぁ〜(エグッ)
『どちら様ですか!?』とか
怒られてさぁ〜(ウッ…エグッ)
もうスカコに会えないのかと
思ったらさ〜(エグッ)
悲しくなって〜(エグッエグッ)」
スカコ「だからって!!病院まで!!
押しかけて!!来ないでよ!!!」
よけてもよけても、ウシガエルの
鳴き声のようにしゃくりあげながら
縋り付いてくるタカシに、
私はついに堪忍袋の緒が切れて、
両手で思い切り突き飛ばしました。
尻もちをついたタカシは、
今度は座り込んだまま
大声で泣き続けました。
タカシ「赤ん坊が〜(ウッ…エグッ)
俺の子じゃ(エグッ)なかったん
だよ〜(エグッエグッエグッ)」
スカコ「……なんなのよ…もう……」
私は主任に休憩の許可をもらい、
「すみません…どうもすみません…」
と同僚や患者さんに謝りながら、
泣いているタカシの首根っ子を
つかんで、建物の外に
引きずり出しました。