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本編
A子「元奥様。俺さんから
お話は全て聞いています。
2年前、元奥様が俺さんを家から
追い出した時に、お二人の縁は
消えてしまったんです。
俺さんは絶望に打ちのめされ、
そこから1人きりで這い上がって、
今の地位を築いたんです。
そして私は俺さんと出会い、
人生を共にすることを、
2人で決めたんです。
あなたにとっては理想の旦那様では
なかったのかも知れませんが、
私には最高の旦那様です。
これからは、私が俺さんを
大切にして、2人で人生を
歩んでいきます。ですからもう、
俺さんの事は、ご心配なさらないで。
元奥様も、どうぞご自分の人生を、
歩いていって下さい」
A子の言葉で元嫁は床に崩れ落ち、
子どものように「うわ〜〜〜ん!!」
と声をあげて泣き出した。
先ほどから入り口の所で成り行きを
見守っていた警備員を呼び、
元嫁を連れ出すよう頼んだ。
元嫁は最初少しだけ抵抗する素振りを
見せたが、もう観念するしかないと
悟ったのか、泣きながら
連れ出されていった……。
その後、公正証書の接触禁止を
破ったことについて、弁護士を
通じて元嫁に正式に抗議した。
今回は俺が会社に招いている事も
あり、お咎めなしとしたが、
今後は電話をかけて来ることも、
会社に来ることも厳禁だと正式に
書類を作成し、通告してもらった。
弁護士からの抗議と正式書類の
効力か、最後にA子に言われたことが
効いたのか、元嫁が接触してくる
ことはなくなった。
元嫁とはこれで決着となったのだが、
今度は娘から携帯のメッセージが届いた。
『娘です。
お父さん、会いたいです。』
と書かれていた…。
俺は正直戸惑った。先日の元嫁との
騒動と、2年前の娘の姿が重なった…
俺「A子、どうしたらいいと思う?
娘には接近禁止を設けていないし、
もちろん俺も娘に会いたい。
だが…正直怖いんだ…。
もしまた2年前のように娘からも
傷つけられるような事になったら…
俺はもう……」