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本編
そして剥がされた作業着の下から
現れたタカシの右胸から腕にかけて…
なんと……
見たこともないタトゥーが……
いくつも彫られていたのです……
スカコ「……え?………
なにこのタトゥー……」
思わず漏れた私のつぶやきに、
全員の手が一瞬止まり、
奇妙な空気が流れました……
主任「オペ室入るよ!!!」
主任の一声で、凍結魔法が
解けたように、また時間が
せわしなく動き始めました。
手術室に運び込まれていく
ストレッチャー……その上に
グッタリと横たわった、
意識の無いタカシ……そして、
タカシの右腕の、見事なタトゥー……
後に残された私は、
ただただ呆然とするばかりで、
周りの看護師仲間も、
声をかけるのをためらい、
心配そうに見守っていたのでした…
タカシの肩の損傷は、出血の割に
軽いものだったらしく、オペは
比較的短時間で無事に終わりました。
知らせを受けた私は、
すぐに病室に運び込まれたばかりの
タカシの元を訪れました。
まだ麻酔で眠ったままのタカシを
見下ろすと、おもむろに、巻かれた
ばかりの包帯を解いていきました。
同僚「スカコさん!!
なにしてるんですか!?」
スカコ「どうしても確かめなきゃ
ならない事があるの。お願い」
病室に入ってきた師長が、
同僚の肩に手を置き、
軽く頷いて許可を出しました。
私はタカシの包帯を解いて、
タトゥーを眺めました。
右胸から上腕にかけて
黒いインクの濃淡で彫り込まれた、
いくつものタトゥー……
痛々しい手術の跡のせいでいびつに
歪んだ、祈りを捧げる女性の天使…
バラの花…光を放つ目…
日付と思われる数字…
そして、アルファベットで書かれた
女性の名前と、“LOVE”という
単語の含まれた英文…
(あぁ…そういうこと…)