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本編
その連絡も、最初のほうは
タカシ[今帰った〜。オムライス
美味そう!ありがとう!(^^)]
スカコ[お仕事お疲れ様〜♡
チンして食べてね!]
タカシ[これからちょっと寝て、
夜からまた仕事(T_T)]
スカコ[忙しいんだね…
体は大丈夫?無理しないでね!]
という感じだったのが、最近では
タカシ[トイレットペーパー
買っといて]
スカコ[次の休みいつ?
カレンダーに丸しといてね]
という感じで、業務的で味気ないもの
になってしまっていました。
タカシの顔が見たい…ちゃんと
話をしなければ…と思ってはいても、
忙しく仕事に追われて、
なかなか思うようにならない日々が
続きました。
そんなある日のこと。
突然夫から、驚くようなLINEが
送られてきたのです……
タカシ[カードの請求が高くて、
小遣い口座の残高が足りない。
すぐにお金を振り込んで欲しい]
仕事の合間にそれを見て、
私は目を疑いました。
タカシは物欲があまり無いタイプで、
小遣い口座に毎月振り込んでいる
5万円のうち、使うのはだいたい
3万円程度だと言っていたし、
それまで一度も追加で振り込んだ
ことなどありませんでした。
私の方が、洋服・靴・バッグなど、
欲しい物が多いタイプで、
おまけに“頑張っている自分への
ご褒美”を言い訳に、毎日コンビニで
スイーツを買ってしまったりして、
タカシから「あまり無駄使いしちゃ
ダメだぞ」と、たしなめられていた
ぐらいだったのに…
スカコ[え?足りないって…
初めてだね!何に使ったの?]
タカシ[葬式とかあって…
スーツ買って、靴も買った]
(あぁ…御香典も包むだろうし、
それだと5万円じゃ足りないか…
あれ?でも今までの残高は…?)
私は不思議に思いつつ、
返信しました。
スカコ[いくら足りないの?]
タカシ[30万ぐらい足りない
すぐ振り込んで]
スカコ[えーっ!30万!?]