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本編

去年くらいだろうか。

諦めがついたというか、

急いで何とかなるものじゃない

という、ある意味で悟りと

言えるような心境になってきた。

きっかけは、

確か卒業アルバムだった。

気分転換として、

少し大掛かりな掃除を

しようと思いたった。

普段は仕事が忙しいからと、

なかなか手を付けられなかった

クローゼットを、

思い切って開けてみた。

結婚する直前に、

実家から持ってきた

思い出の品が、

箱に入っているのを見つけて、

しばらく眺めていた。

 

スカ子「あら、中学の卒アル」

 

ページを開いて、

ぱらぱら流し見をした。

私は3年1組だった。

1組を見てみると、

本当にあどけない、

若いというより幼い顔の私が、

すまして写っていた。

 

スカ子「やだ、顔が強張ってる。

作り笑顔丸出しねえ」

 

若いっていいなぁ。

そう思いつつ、

ページをめくっていくと、

やがて6組に辿り着いた。

そこでは、中学生らしい、

髪を短く刈り込んだ夫

ヤスフミが笑っていた。

 

スカ子「ヤスフミ、若い!」

 

思わず笑ってしまった。