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本編

だって、この家には。

 

 

スカミ「あった!」

 

 

画用紙、クレヨン、

水彩絵の具。

あと使い方はよく分からない、

専門のやつ?

 

 

おじいちゃんが、

私のために揃えてくれた。

絵を描くための道具が

一通りそろっていたから。

そして、1万円札が5枚。

お手紙。

 

 

祖父「スカミへ。

もしこれを見つけたら、

好きな絵の道具を買うのに

使いなさい」

 

 

これは、とても嬉しかった。

私は、大切に大切に、

使い方を間違わないように。

 

 

自分なりに一所懸命に考えて、

ちびちびお金を使いながら、

好きな絵を描き続けた。

 

 

他の事は、お父さんが

何とか用意してくれた。

 

 

リリカみたいに欲しいものは

何でも手に入るわけじゃ

なかったけれど、

それでも十分だった。

 

 

絵を描ける環境が

整ったのだから。

時間の経過とともに、

私の状況も変わっていった。

 

 

中学まではアルバイトも

出来ないので、

おじいちゃんが

 

 

残してくれた5万円と、

ごくたまに貰えるお小遣いで

何とかしのいだ。