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本編
ああだめだ、もう自分で自分を
止められない。
タツオの周囲にいた、
仲間らしい若い男たちに、
私も実力行使。
気づいたら、一人を叩きのめし、
もう一人には回し蹴りを
お見舞いしていた。
クミコ父「ああ、おい。
クミコがブチギレちまった。
誰か止めろ」
若い衆「親父、無理です。
ああなったお嬢は
止められません」
なんか、普通の父親と部下の
会話みたいなのが聞こえる。
みんな気にしているのだろう。
わかってる。
わかってるけど、止められない!
シオン先輩にけがをさせ、
あの綺麗な顔にあざを
作ったのが許せなかったのだ。
私はタツオの姿を視界に入れた。
こいつには、飛び蹴りでも
味合わせてやらなきゃ
気が済まない!
そう思ったとき、
シオン先輩がすっと
身をかがめた。
すでにタツオを
振りほどいているようだった。
あっというまに、
先輩はタツオの腹にワンパン。
つんのめったヤツの
後ろ襟をつかんで、
すとーんと投げ飛ばし、
床でしっかりホールド。
目にもとまらぬ早業だった。
ああ、やっぱり強い!