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本編

スカオ「飛び級ってご存じですか?

日本では認められていませんが、

アメリカでは、割とポピュラーです。

 

 

僕は中学卒業後に渡米して、

高校には半年だけ通いましたが

飛び級で大学に入学したんです」

 

 

ノリオ「それを先に言え!」

スカオ「言おうとしたんですが、

遮ったのはチーフじゃないですか。

 

 

その後は、あえて伏せたんです。

塾長も、学歴だけを見てるわけじゃない。

学校を卒業してからが人生の本番。

 

 

長い人生で役に立つ知識を生徒に身につけさせたい。

そうおっしゃってます。

 

 

学歴だけが全てではないことを、

証明したくて。

中卒だと誤解されているからこそ、

その状態で実績を上げようと思いました」

 

 

俺が説明すると、ノリオは

うなだれたままプルプル震えた。

顔をあげた時、真っ青で、

目もうつろだった。

どうも、プライドを粉々にしすぎたかもしれない。

 

 

塾長「チーフ」

ノリオ「いえ、塾長。

僕はチーフではありません。

本日をもって退職させていただきますので」

 

 

ノリオは掠れ声で言い、ふらつきながらも席を立った。

そして、俺に深々と頭を下げた。

ノリオ「何も知らないでバカにして、すまなかった」