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本編
スカオ「塾長、一つお願いがあります」
塾長「というと?」
スカオ「俺の学歴については、
中卒のままでお願いします」
塾長「うん?
何か意味があるのかね」
スカオ「塾長は、学歴を見るだけが
教育方針ではない、
と先ほどおっしゃいましたね。
チーフにもご理解いただくためには、
彼が言う中卒講師がどのように生徒を指導するか、
チーフ自身に見てもらう必要があると思います。
そこから何か、気づくことがあればいいのですが」
塾長「つまり、彼を試してみるということかね?」
スカオ「はい」
塾長の了承を得て、
俺は明日から授業を受け持つと、
正式に決定した。
さて、ノリオはどう出てくるものか。
翌日の13時。
塾は学校が終わってから、
授業をスタートするのが一般的だ。
うちの塾は小学校5年生から高校3年生まで、
中学・高校・大学の各受験コースが標準。
現役学生のみを募集するスタイルになっている。
授業の一時限めは、小学生17時、中高生19時。
その他に開放教室という仕組みがあり、
自習用の机が用意されていて、
塾生なら13時から入室できる。
講師は12時までに出勤だ。
教える側も、事前のチェックはもちろん、
当番制で開放教室の監督を務める。
たまには守備範囲外の質問も飛んでくるから、
気が抜けない。