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【第12話】祖父が架空請求業者に「支払いますのでウチに来て」と言ったら→翌日…
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 ヤマノ「こらジジィ、 調子に乗んじゃねえぞ。 ゴクスカ組の幹部を 呼びつけるつもりか?あ?」 ゴウ「筋者を行かせると、 仰ったじゃないですか。 住所を申し上げますから、 お手数ですが...
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本編
何ともお気楽、能天気な会話だ。
ばーか。その甘い考えは、
あと数秒の運命だっつぅの。
じっと見ていたら、じいちゃんが
いる書斎に通された。
ここでカメラが切り替わる。
ヤマノ「おう、ゴクスカ組の
幹部ヤマノだ。
直々に来てやっ……え?」
ノリノリで啖呵を切ったは
いいものの、ヤツは
最後まで言えなかった。
みるみる表情が変わっていく。
やつらの視界に入っているのは、
ごっつい書斎机に両肘をつき、
組んだ指に顎を乗せている
じいちゃん。
そして、背後を固める
黒スーツにサングラスの軍団。
とどめに、じいちゃん達の
頭上へ高々と掲げられている、
ひし形四つと「極ス」二文字。
正真正銘「関東ゴクスカ組」の
代紋だ。
ヤマノ「四つ菱囲みに
極スの二文字って」
ゴウ「見ての通りだ。
関東ゴクスカ組が、
5代に渡って掲げる代紋よ」
じいちゃんは、俺の祖父という顔
から、別の顔に変貌を遂げていた。
関東ゴクスカ組6代目。
任侠団体の頂点に君臨する
「組長」の顔に。
自分たちのしでかした事が、
どれほど重大な意味を
持っていたのか。
やっと、あの連中は
理解したようだった。