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【第10話】妊娠中電車で仲良くなった女性→後日とんでもない事態に…
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本編
出勤時はいつもと同じ時間で、
かなり混むのだけど。でも座れる。
これはミカコではなく、
名前は知らないけれど、
親切な男性のおかげだ。
時々乗り合わせるスキンヘッドの
いかつい系な男性が、
専用席にどっかり座っている
おじさんの肩をぽんぽん叩いて、
私の方を親指で指し示し
「席を譲れ」と、
無言の圧をかけてくれるのだ。
近頃は、彼がいようがいまいが、
私はけっこう座ることが出来て、
ラッキーだった。
あの男性には、いつも軽く
会釈することしかできていない。
今度ははっきり、
お礼を言わなきゃ。
今朝は残念ながら見かけていない。
出勤時は穏やかに一人だった。
退勤の際は、やっぱり
ミカコと乗り合わせた。
ミカコ「今日は顔色がいいわね。
少し楽になってきた?」
スカコ「うん。おかげさまで」
ミカコ「そっかそっか。
良かった。ね?今日は暇?」
スカコ「え?」
ミカコはにんまり笑った。
ミカコ「あと2駅で降りよう?
神社へ参拝しに行こうよ」
スカコ「神社?今から?」
時刻は午後5時過ぎ。
安産祈願だとは思うけれど、
ちょっと時間が遅くない?