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【第26話】夫「子供は俺によこせ!」→出産直後の赤子を奪い取り浮気相手と逃走し…
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 (私が…トモカさんの 赤ちゃんを抱かせて もらっていたばっかりに……) 自分の子だと勘違いしたナオトは、 私やトモカさんが 説明する暇も与えず、 赤ちゃんを奪って行ったのだ…… 私と...
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本編
私は全身から血の気が
引いていくのを感じた…
するとその時、前方に車が……
(あっ!!ぶつかる!!!)
私は思わず目を閉じた。
ガッシャーーーーン!!!
トモカ「キャーーーーーッ!!!」
大きな衝撃音と、
トモカさんの悲鳴が響いた。
恐る恐る目を開けると、
駐車場から出てきた
黒塗りの車の横腹に、ミサの
運転する車がめり込んでいた…
私とトモカさんは、
おそらくこの時、最悪の事態を
想像してしまったのだと思う。
トモカさんはヘナヘナと
その場に崩れ落ち、
私の喉の奥からは、
ヒューヒューと悲鳴にならない
声のようなものが
断続的に漏れ出ていた。
それでも私はヨロヨロと
車の方へ近づいて行った。
黒塗りの車から「いてててて…」
と言いながら、この産院の
院長さんが出てくるのが見えた。
ミサの車を覗き込むと、
エアバッグが開いており、
ミサとナオトは放心状態だった。
私は窓ガラスを叩きながら、
ナオトに向かって叫んだ。
アスカ「赤ちゃんは??
赤ちゃんは無事なの??!?!」
赤ちゃんと聞いた途端、
院長先生は血相を変えて
車内を覗き込み、叫んだ。