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本編

それ以来、ミカコとは帰りの

電車でよく会うようになった。

ありがたい事に、先日の一件で、

私が妊婦だと気付いた

いつもの乗客もちらほら

見られるようになり、

席を譲ってくれる人も現れた。

 

今日は、体格のいいスキンヘッドの

男性が、私に席を譲ってくれた。

見た目が怖いし、

無言のゼスチャーで席誘導

されるので、戸惑ってしまうけど、

悪気はないみたいだから、

気にしない事にする。

 

二駅乗ると、ミカコが

現れるのが、最近の流れだ。

彼女は私の前に立ち、

話しかけてきてくれる。

 

ミカコ「体調はどう?」

 

スカコ「お腹が重いよー。

昨日は胎動が強かった、

胃を蹴られたよ」

 

ミカコ「あは、元気いっぱいね!

男の子かな」

 

スカコ「今5ケ月で、

エコーの角度によっては

分かるみたいなんだけど、

まだはっきりしなくて。

はっきり分かるのは、

次の検診かなあ」

 

ミカコ「楽しみね。

分かったら教えてね」

 

ミカコは、まるで親族のように

楽しみだと言う。

 

彼女のお子さんと、

年齢差はあるにせよ、

いい付き合いが出来るかもと

思っている私には、

彼女も同じように

考えてくれているように見えた。