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【第19話】仏のように温厚な夫にDQN893「痛い目を見る前に金出せ」と肩を掴んだ瞬間...
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 一人が怒鳴ると、 みんな一斉に殺気立つ。 それはそれは、 見事な連係プレーだ。 全員が、舐めてんのか、 何で組の名が出せないんだ、 などなど。大声で叫ぶ叫ぶ。 精神的には、軽く二回は...
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【第1話】仏のように温厚な夫にDQN893「痛い目を見る前に金出せ」と肩を掴んだ瞬間...
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本編
ばきっと音がした。
タイゴではなく、応接セットが
蹴飛ばされ、灰皿だのコーヒー
カップだのが華麗に宙を舞った。
ひぃっという悲鳴が漏れる。
社長「おう、その辺にしとけや。
話が進まねえよ。じゃあ、
組の事はいったん横に置く。
で?うちの新入社員の
車が事故ったとか何とか、
聞いたんだがな。
本当にうちの責任なら、
そりゃしょうがねえ。弁償させる。
まずは証拠を見せてもらうか」
タイゴ「しょ、証拠?」
社長「タクマのスマホを見せろ。
確か、俺が就職祝いに
贈ったあの車、
いろいろオプションつけたよな。
最新のドラレコってのか?
なんか録画録音ができるっての、
取り付けたはずだ。
近頃は凄ぇよなぁ。
スマホがありゃ、現場の状況が
すぐ確認できるってぇんだから、
恐れ入るぜ」
そうだ、スマホとドラレコの連動!
確かにしていた。
極上の座り心地だった椅子も
含めて、フルオプションの
最高レベルな国産車だったのだ。
あっというまに、
タイゴの嘘はバレた。
しかも社長が贈ってくれた車を
小ばかにし、リマが缶コーヒーを
室内にぶちまけた様子まで、
ばっちりしっかり録画済み。
後ろから突っ込んでくる様子も、
リアカメラが克明に
捉えていたので、どこから
どう見てもうちの責任ではない。
明らかに突っ込んできていた
タイゴとリマの責任だった。