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【第1話】仏のように温厚な夫にDQN893「痛い目を見る前に金出せ」と肩を掴んだ瞬間...
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本編

一人が怒鳴ると、

みんな一斉に殺気立つ。

それはそれは、

見事な連係プレーだ。

 

全員が、舐めてんのか、

何で組の名が出せないんだ、

などなど。大声で叫ぶ叫ぶ。

 

精神的には、軽く二回は

気絶コースだった。

でも、まともに怒鳴られて

いるのは私じゃない。

タイゴとかいう金髪半グレ系。

私の何倍も怖かったと思う。

 

タイゴ「あの、スカスカ組、です」

 

社長「あぁん?聞かねぇ組だな。

誰か知ってるか」

 

社長が周囲を見回す。

誰も知らないという反応だった。

 

社長「おかしいな、おい?

俺はこの道はそれなりに長げぇ。

うちの若い衆もそうだ。

なんで、誰も知らねえんだ?」

 

タイゴ「それはですね、

その、あのう」

 

タクマ「下っ端。

何なら、組長を呼んだらどうだ?」

 

さっきから、これがあの夫なの?

物凄い怖い目をして、彼はタイゴを

睨みつけ、冷たく言い放った。

睨まれた方は震えあがり、さらに

要領を得ないことをもごもご。

 

構成員「ごちゃごちゃ

言ってんじゃねえよ!

オヤジにまともな

返答もできねえのか、あぁ!?」