前回の内容はこちら▼
【第7話】グリーン車の指定席に知らない大学生が!→妊婦の私から勝手に席を横取りし…
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 滅多に乗る機会が無いグリーン車の 様子にわくわくしながら、 自分の席を探す。 あった、ここだ……って、ええ!? ヒロト「何スか?」 何で?何で人が座ってるの? 見るからに大学生風の若...
1話から読みたい方はこちら▼
【第1話】グリーン車の指定席に知らない大学生が!→妊婦の私から勝手に席を横取りし…
こちらもおすすめ▼ 本編 夫「ごめんな、スカコ。 今が一番大事な時だっていうのに」 しょんぼりと肩を落としつつ、 勤務先で言い渡された内容を 語る夫は、本当に申し訳ない という表情をしていた。 私は、帰宅早々 夫「まずい事になった。 納品に...
本編
ぼう然としていると、
どうやらゲームが
一段落ついたらしく、
気に入らない結果に
対して怒っているような口ぶりで
ヒロト「くっそぉ!肝心な
とこで気が散ったから、
しくじったじゃんか!!」
面白くなさそうにゲーム機を
投げ出した。そして、
やっと私を改めて見上げた。
ヒロト「あんたさぁ。
人の邪魔して楽しいのかよ」
スカコ「は?」
何を言ってるのだろうか、
この若いのは。
スカコ「人の邪魔?」
ヒロト「じろじろ見てるんじゃ
ねえよ、プレイ中に。
気が散るんだよ」
スカコ「私の話、聞いてました?
ここは私の席だと言ってるんです。
あなたの席じゃないでしょう」
チケットを見せながら、
私も少し口調を強めた。
彼の持ち物に、アルファベッドで
HIROTOと書かれたアクリル
ホルダーがついているのが見えた。
とりあえず、彼はヒロト
という名前らしい。
私も、しっかりチケットを
見直した。
何度見たところで結果は同じ。
席番号も私なら、乗客指名も私だ。
ヒロトではない。
スカコ「どいてください」
ヒロト「あー、あんたあれなの?
ネットで評判の、
お妊婦様ってやつ?」
ヒロトはふふんと鼻を鳴らした。