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【第11話】興信所に夫の浮気調査を依頼「これは浮気じゃない…」夫の驚愕の正体とは…
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 ケイキ「面倒な手続きがいるんだ。 俺が前に住んでいた地方に 本籍があるんでね。 このご時世じゃ移動も難しいし、 俺がやっておくよ」 スカコ「面倒な手続きがいるなら、 なおさら、二人で...
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【第1話】興信所に夫の浮気調査を依頼「これは浮気じゃない…」夫の驚愕の正体とは…
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本編
いざ暮らしが始まると、
彼は「俺は忙しい」という
自分の言葉通り、
しょっちゅう家をあけた。
具体的には、週の三日は
本社や前の支社に顔を出すといい、
朝早くから帰りは遅かった。
そして、二週間に一度。
金曜日から日曜日にかけて、
必ず泊りがけの仕事があるという。
スカコ「今のこのご時世で?
リモートワークは?」
ケイキ「いま整備している
ところだよ」
ケイキはごく普通の顔で、
そう言った。
え?商社だよね?
彼の会社に比べたら、
地元の中小企業にすぎない
私の勤め先でさえ、リモートワークの
導入が早々と決定していた。
社員の出張もほとんど無し、
できる限りWEB会議で済ませる
という方向にシフトしつつあった。
なのに、彼の会社は
依然として出張が多い。
日帰りだとしても、結構遅くに
ならないと帰れないくらいだし、
週末出張は減るどころか、
むしろ増えた。
月に二回だったものが、
半年も経つ頃には毎週になっていた。
スカコ「どうしても
出張しなきゃいけないの?」
ケイキ「うん。
リモートでは出来ないんだよ」
スカコ「え、何で?ケイキの
会社くらい大手なら、そういうの
整備出来てると思ってた」