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本編
誰がどうやってレイジを
呼んでくれたのかは
分からないけれど、処置室の外では、
間違いなく夫が叫んでいる。
良かった、出産前に
父親が間に合った。
安心した時だった。
医師「ご主人ですか!?
奥様は今すぐ帝王切開
しなければいけません。
こんな事を聞くのは酷だと
承知の上ですが、お聞きします。
胎児の優先についてですが」
レイジ「子供を優先してください!
そんなもの聞くまでもない!
母体なんか、いくらでも
代わりはいるんだ!
子供を優先してくれっ!!」
信じられない言葉も聞こえた。
ええええ!?
母体がどうなろうとも、
子供だけは生かせと!?
ていうか、今はっきり言ったよね?
母体の代わりなんか
いくらでもいる、と。
それ、どういう意味!?
看護師「先生、患者さんの
血圧が上がっています!」
看護師が何か叫び、
医師が処置室に飛び込んできた。
そして、今度こそ私は
何もわからなくなった。
再び意識を取り戻した時、
病室には誰もいなかった。