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本編
俺は改めて、アユミという大人の
女性の存在に感謝したのだった。
やがてリビングに戻って来たリコは、
もういつもの制服姿に着替えており、
照れくさいのか何も言わずに、
そそくさと朝食を済ませて
学校に行ってしまった。
俺とリコの様子を黙って見守っていた
アユミは、リコが出て行った後、
俺に話しかけてきた。
アユミ「スカオさん、
ビックリしちゃったでしょ!ww
良かったね!おめでとう!」
スカオ「いや〜…アユミが
居てくれて、本当に助かったよ!
ありがとうな!」
アユミ「いいのよwそれより、
今日のお祝いどうする?」
スカオ「へ…?お祝い……?」
女きょうだいが居ない俺は、
何の事かさっぱり分からず、
キョトンとしてしまった。
アユミ「初潮のお祝いだよ!!
ちゃんとしてあげなきゃダメよ!」
スカオ「えっ…?あぁ……
そうか……わ、分かった!
今日は早めに帰って来るよ!
えっと……確か、お赤飯だっけ?
デパ地下で売ってるかな…?
あとは……他に必要な物って…
有るんだっけ?」
アユミ「特別なのは、お赤飯だけ…
頑張って炊いてみるよ!
あとは、リコちゃんの好物かな〜…
食事は全部私が用意するから、
スカオさんはリコちゃんが好きな
スイーツでも買ってきてあげてよ!」
スカオ「えっ…いいのか?アユミは
俺より終くまで仕事なのに…」
デパート勤めのリコは、
オフィス勤務の俺より始業時間も
終業時間も遅いので、
リコが休みの日と、俺が残業の時
以外は、たいてい俺が夕飯の準備を
するのが常だったのだ。
アユミ「大丈夫よ!大事な
お祝いだもの!今日は早上がりにして
もらって、準備頑張っちゃうわ!」
スカオ「そ…そうか……ありがとう。
じゃあ、悪いけど頼むよ」
俺はこの時、有り難く思う一方で、
妙な違和感を感じずには
いられなかった。