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【第7話】盲導犬の尻尾を踏む子供→主人が困っていると…
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【第1話】盲導犬の尻尾を踏む子供→主人が困っていると…
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本編
もしかして現役かと思うくらい、
シンヤは通行人の間を
すいすいと走り抜ける。
たまに「おい、やめろ!」
「その子を放せっ」と叫んで
飛びつこうとする人々も、
華麗にかわしている。
あいつが目指す先。
それが見えた時、俺はあいつの
考えに気づいたのだった。
スカオ(シンヤのやつ!
そういう事か!)
シンヤにとってのゴール、
それは交番だった。
引き戸を大きくあけて
シンヤ「すいませーん!迷子でーす!
保護をお願いしまーす!」
中の警察官に向けて大声を放った。
何か、ざわついている
雰囲気が漂い始めた。
スカオ「シ、シンヤ」
シンヤ「いやぁー、散歩してたら
この男の子が一人っきりで、
向こうの交差点にいたもんで。
このご時世、何があるか
分かりませんからねー」
さすがは元ラグビー部。
あれだけの全力疾走、
しかも小さいとはいえ男の子を
抱えるおまけつき。そんな中でも、
ほとんど息があがっていない。
対する俺はへろへろのよろよろ。
いや、もっとへろへろに
なっている人物がいた。
交番の中の警察官4人が、
突然の事にうろたえながらも、
詳しく事情を聞こうとしていたとき、
母親らしい女性が
追い付いてきたのだ。
もう、目も当てられないほど、
汗で化粧も髪型もぐちゃぐちゃ。
息も切れてはあはあぜいぜい、
まともにしゃべれない感じ。