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【第9話】浮気夫「お前のガキは堕ろせ!」→私は生きる気力を失い屋上へ…
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【第1話】浮気夫「お前のガキは堕ろせ!」→私は生きる気力を失い屋上へ…
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本編
私はどうすれば良いのか分からぬ
まま、しばらくフラフラと
2人の後を追いかけていたが、
気付いた時には、いつの間にか
自宅に戻っていたのだった…
その夜も、リョウからは
何の連絡も無く…
日付が変わっただいぶ後に、
コッソリ帰って来た音がしていたが、
私は寝たまま、気付かぬふりをした…
翌朝も、いつもと全く同じように、
弁当箱を入れたカバンを手渡して
リョウを送り出した私は、
その後すぐ、ある覚悟を持って
マンションを出た。
歩いて10分程にある、
8階建ての雑居ビルに到着すると、
エレベーターと階段で
屋上に向かった。
まだ恋人同士だった頃、
花火大会の夜にリョウが、
「実家の近くに穴場スポットが
あるんだ」
と言って連れて来てくれた屋上…
(まさか次に1人で死にに
来ることになろうとは……
あの時の私に教えてあげたいな…)
楽しかった花火大会の夜の記憶と、
昼間の古ぼけたビルの屋上を
心の中で比べながら、私は、
(この時間なら、飲み屋が入った
雑居ビルには誰も来ないだろうし、
この高さから飛び降りれば、
確実にあの世へ行けるだろう…)
低い手すりを乗り越え、
目をつぶってまさに
飛び降りようとしたその時…
背後から大きな声が
聞こえてきたのだった……
男性「ちょ、ちょっと
待って下さい!!!
あなた…何してるんですか??
飛び降りるつもりですか??」