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【第9話】婚約者の彼と高級レストランへ→入店後すぐに伝票が渡され…
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 イリエさんは一瞬、思い出を 懐かしむような表情を浮かべたが、 すぐにまた自嘲気味に笑うのだった。 スカミ「あの…騙されてたって 言うのは…どういう……」 イリエさんの話によると、 彼...
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【第1話】婚約者の彼と高級レストランへ→入店後すぐに伝票が渡され…
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本編
イリエ「私は自分から、
進んでお金を渡したんです…
しかも借用書も何も無しで、
いつ返すなんて話もしないまま…」
その後すぐ、彼と連絡が
つかなくなり、アパートへ行くと、
もぬけの殻だったそうだ。
勤めていると言っていた会社に
連絡しても、そんな名前の
人間はいないと告げられ、
警察に相談して被害届は
出したものの、起訴は難しいだろうと
言われてしまったそうだ。
目に涙を滲ませながら、
淡々と話すイリエさん…
私はまだ100%信じた訳では
無かったものの、100%嘘だとも
思えず、どうリアクションすれば
いいのか分からなかった。
イリエ「彼、あなたには、何で
稼いでるって言ってるんですか?」
スカミ「えっと…元々、
取引会社の人なので、
その会社からのお給料と……」
イリエ「会社!?あなた、彼の
勤め先を知ってるんですか…?!」
スカミ「ええ…うちの会社と
長く取引してる会社ですから…」
イリエ「…………」
イリエさんは、私の答えが
信じられない様子だった。
私は、さっきのイリエさんの話に、
『株』が出てきた事が引っかかって
いたので、こう付け加えた。
スカミ「それと…お給料以上に、株で
儲けが出てるって言ってました…」
イリエ「あぁ、それ嘘ですよ!
株で毎月大金を稼いでいる人は、
市場が開いている時間帯はずっと
画面に張り付いてるものなんです。
でも彼がそんな事してるの、
見たこと無いでしょ?」
(言われてみれば…パソコン画面に
張り付いて株取引をしてる人、
テレビで見たことがある…
それに引き換え、タカヤが
株取引をしているところは…
ただの一度も見たことが無い…)