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【第17話】母が他界し、母のスマホを解約に行くと…店員「本人じゃないと解約できませんよw」
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 私はサッと立ち上がり、 怒鳴り込んできたコワモテの男性を、 笑顔で手招きした。 男性は肩を怒らせながらドカドカと こちらへやって来たが、私が会釈を してキノシタを指し示すと、 意外に...
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【第1話】母が他界し、母のスマホを解約に行くと…店員「本人じゃないと解約できませんよw」
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本編
コワモテ「そうですか…
じゃあ…お言葉に甘えて…」
スカミ「どうぞどうぞ!
ごゆっくり!」
私はコワモテ氏の為に席を空け、
後ろの椅子に移動した。
コワモテ氏はドカッと席に座ると、
上半身をキノシタの方に屈ませて
睨みつけた。
と同時に、迫力満点の重低音ボイス
で、キノシタを叱責し始めた。
どうやら、今年88歳になる
コワモテ氏のお婆様が、先日こちらの
ショップでスマホを契約した際、
担当したキノシタによって、
知らないうちに不必要なオプションを
いくつも付けられており、
請求書を見て驚いたお婆様が、
慌ててショップまで足を運び、
オプションの解約を頼んだのにも
関わらず、キノシタはろくに話も
聞かずに、「契約は契約だ!」と、
けんもほろろに追い払ったそうで、
困り果てたお婆様が、
孫であるコワモテ氏に相談し、
今回の怒鳴り込みとなったらしい…
コワモテ「米寿の婆ちゃんがよぉ、
孫とLINEがしたいってんで、
ドキドキしながらスマホを
契約しに来たのに、
バカ高い機種買わせた挙句
利用するはずもないオプションを、
知らないうちに山ほど付けられて、
請求書見てビビッてんだよ!
相手は年金生活者だぞコラ!!
オメェに良心ってモンはないのか?!
え?!」
響き渡る残酷物語に、固唾を吞んで
見守っていた店内の全員が、キノシタ
に怒りを覚えずにはいられなかった。
(よく分かってないお婆ちゃんを
カモにするなんて……
ヒドイ!!ヒド過ぎる!!!
キノシタの鬼!!悪魔!!
人でなし!!!)
ところが、『反省』という二文字の
存在をご存知ない様子のキノシタは、
コワモテ氏に怯えながらも、
よりにもよって火に油を注ぐような
言い訳を始めたのだった…