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本編
しかし私は、ユタカに直接問いただす
ようなことはしなかった。
そんな事をすれば、また怒らせて
●言・●力にさらされるのが
オチだし、正直、ユタカが
浮気をしようが一向に構わなかった。
ただ、離婚なんて事になったら、
10年以上専業主婦で経済力の無い
私に、ヒロトの親権を取る事は
難しいだろうと思ったし、
仮に私が親権を取れたとしても、
私1人でヒロトをきちんと
育てていけるのか…
ヒロトにとっては優しい父親を、
奪ってしまっていいのか…
ヒロトに「父親の方が良い」と
言われてしまったらどうしよう…
などなど、様々な不安に支配される
ようになり、一日中一人でグルグルと
考え込むようになった私は、
いつしか精神のバランスを失い、
鬱状態になってしまったのだった……
病院で正式に鬱病と診断された私に
対し、ユタカは何の配慮も
示さなかった。
それどころか、これ幸いと
益々浮気にのめり込み、
ほとんど家に帰って来なくなった。
家に居なければ●力をふるわれる
心配は無いし、ビクビクしながら
過ごさなくてもいい。
たまに帰って来ると上機嫌で、
私にもヒロトにも異様に優しかった
ので、逆に有難いくらいだった。
私は鉛のように思い心と身体を
奮い立たせ、どうにか1人で
ヒロトの世話を頑張った。
それでもやはり、ヒロトに迷惑を
かけてしまう事も多かったのだが、
ヒロトは文句を言うどころか、
私の事を思いやり、
助けてくれるのだった…
ヒロトが家に居る時はまだ頑張れる
ものの、ヒロトが小学校へ行った
途端、私は動けなくなり、
何時間もボーッと座り込み、
自●を考えてしまう事も
少なくなかった。
ヒロト「ママ、ごめんなさい…
ボクが悪い子だから、
ママは病気になっちゃったの?
パパが家に帰って来なくなったのも、
ボクのせい?」
アスカ「そうじゃないのよ!!
ヒロトはとっても良い子よ!!」