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本編
(冬の寒い日に、昼間っから湯船に
浸かるって…サイコー…癒される…)
1ヶ月の間ずっとシャワーだけ
だったので、それはまさに
天にも昇るような心地だった…
そして、俺はそのまま意識を失った…
スカオ「……ブハッ!!!」
うっかり寝入ってしまった俺は、
顔が湯に浸かりそうになって、
目を覚ました。いつの間にか
湯はすっかり溜まっており、
少し冷めてしまっているほどだった…
(危ない危ない!!どれくらい
寝てたんだ…?危うく本当に
昇天しちまうとこだった!
早く髪と体を洗って、1ヶ月ぶりに
フカフカのベッドで寝るぞーー!!)
そう思って湯船から出ようとした
俺は、浴室の外から聞こえてくる
声に、思わず固まった。
(え…?家の中から声がするような…
幻聴か?疲れてるせいか?)
俺は自分の耳が信じられず、
湯船に浸かったまま、
眉をひそめて耳を澄ました。
(いや…これは幻聴じゃない!
確実に、家の中に誰かいる!!
…しかも1人じゃない!どうやら
男と女の2人…何か話してる…)
俺の心臓はバクバクと
早鐘のように打ち始めた。
(強盗か…??強盗なのか…??
どうしよう…ヤバイ…俺、
素っ裸だし…ここには武器に
なりそうな物も無いし…)
俺は完全にテンパりながら、
とにかく気付かれないように
息をひそめ、家の中の会話に
全神経を集中させた…
会話の詳しい内容は分からない
ものの、男と女は談笑している
ようだった。
(わ、笑ってる…プロだ…強盗の
プロだ…どうしよう…どうしよう…
金目の物は盗まれてもいいから、
どうかこっちに
来ませんように!!!)
ところが、切なる願いも虚しく、
男女の声はどんどん風呂場に
近付いて来るようだった。
女「やだも〜!ノブタカったら〜!」
男「アヤカが悪いんだろ〜!
この小悪魔め!」