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本編
とにかく今は、電子レンジも、
エアコンも、通販も禁止だし、
犬に至っては、この先も
ずーーーっと禁止だ!
珍しく食事を少し残して
ごちそうさまをしたマサトは、
私が手渡した薬を飲んだ後、
ふらつきながら二階に
上がっていった。
(さすがにちょっと可哀想…
やっぱり、寝落ちは
起こしてあげる事にするか…)
そんな風に思ってしまった私は、
自分でも甘いと思う。
本当なら、風邪を引いて
しんどい思いをする事で、
自ら反省し、行いを
改めてくれると良いのだが…
今までの経験上、
それは望み薄だった…
翌朝、昨夜とは打って変わって
元気いっぱいで起きてきたマサトは、
朝から上機嫌だった。
マサト「復活したー!
もう頭痛も無いし、喉も痛くない!」
スカコ「それは良かった。もう
ソファーで寝落ちしないでね?」
マサト「それはスカコが起こして
くれたらいいんだよー。ね?
もう風邪引きたくないからさー」
スカコ「だからそれは自分で…」
マサト「ご飯おかわり!昨日あんまり
食べれなかったからさー。
お腹空いちゃって…」
スカコ「結構食べてたけどねぇ…
それより、会社行く前に
シャワー入ってったら?
昨日汗かいてたでしょ?」
マサト「いいよー。
めんどくさいし。時間も無いし」
スカコ「えーっ!汗臭くない?」
マサト「平気平気!
俺、臭わないタイプだから!」
スカコ「えぇ…?」
(いやいや、そんなこと
ありませんよ!脱いだシャツも
靴下も、メチャクサイですよ!)
そうして本当に、マサトはシャワーも
浴びずに着替えて出勤していった…
その日はいつもより家事が
早く終わった。理由は前日、マサトが
風邪で大人しかったお陰だった。
スナック菓子を食べながらソファーで
寝落ちをして、周辺をお菓子まみれに
する事もなく、夜中にラーメンを
作ろうとして失敗し、
コンロと床を汚す事もなかったので、
掃除がとても楽だったのだ…