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本編

ぼんやりと考えながら、

ミカコの後ろについて行った。

何度も角を曲がり、

どんどん人気のない場所へ向かって

いるような印象を受け始めた。

 

住宅街のど真ん中よりは、

少しくらい離れた場所にあっても、

そりゃ神社だからおかしくは

ないだろうけれど。

 

土地勘は全然ないので、

かなり戸惑った。すると。

私は急に腕を引っ張られ、

雑木林の中に入ってしまった。

 

というか、引きずり込まれた

といった感じだ。

 

ミカコは乱暴に私を突き飛ばし、

一本の木に体を押し付けた。

彼女の表情は、今までとは

全く違っていた。一言でいうなら、

憎悪が宿っている。

 

スカコ「ミ、ミカコ、さん?」

 

ミカコ「なんでよ」

 

私の問いかけは耳に

入っていないようだ。

彼女の目は据わっている。

口もとだけが不気味に歪んで、

笑っているような形を作っていた。

 

ミカコ「なんで、あんた

みたいな間抜けな女に

赤ちゃんが授かるのよ。

母親になる自覚なんか、

これっぽっちもないじゃない!」

 

スカコ「ちょっと、

何を言ってるの?」

 

ミカコ「あんた。自分のお腹に

赤ちゃんがいるって分ってる?」

 

スカコ「も、もちろん」