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本編

外のベンチに座っても、しばらく

エグエグと泣いていましたが、

すぐ横の自動販売機からコーヒーを

買って与えると、ゆっくりと飲み

干した時には泣き止んでいました。

 

タカシ「この前…赤ん坊がさ…

生まれたんだけどさ…髪がさ〜…

金髪だったんだよ…」

 

(あ〜あ…よりによって

金髪だったのか…)

 

スカコ「だから何?

私に関係無いでしょ?」

 

タカシ「なんで、そんな冷たい

言い方するんだよ〜!俺のこと、

可哀想だと思わないのかよ〜!」

 

また泣き出しそうになるタカシに

(しまった!)と思った私は、

慌てて先を促しました。

 

スカコ「あぁ…わかったわかった!

もう…それで!?」

 

タカシ「俺ほんと…

ヒドイ目にあってるんだよ…

お前と別れて、お前が

どれだけいい女だったか、

よ〜くわかったよ!」

 

スカコ「自業自得でしょ?私のことを

ヒドイ目にあわせたのはあなた

でしょ?後悔したって遅いよ!」

 

タカシ「浮気したのは

俺が悪かったよ…でも!

俺だって騙されたんだよ!?

俺の子だって言われて…信じて…

タトゥーでヤバミの

名前まで彫って…ヤバミの分の

慰謝料も、俺が払ったんだよ?

お金ももう…すっからかんだよ…」

 

スカコ「騙されたって言うけどね…

そもそも、タカシは子供を作るのは

不可能だって、専門医から診断を

受けたでしょ!それなのに、

信じたい事だけ信じて…

タカシが愚かだった

だけでしょ?タトゥーだって、

お金だって、タカシも同意した結果

でしょ?悪いのは全部自分でしょ!」

 

タカシ「そうだけど〜…両親からも

縁を切られて…スカコの他に、

もう頼れるとこもないんだよ〜!」

 

スカコ「ちょっと!私はもう

関係ないよ!!離婚したんだから、

赤の他人だよ!!それなのに…

こんなふうに仕事場に押しかけて

きて…迷惑かけるのやめてよ!!!」

 

自分勝手なタカシに、

どんどん腹が立ってきました。