前回の内容はこちら▼
1話から読みたい方はこちら▼
本編
スズキ先生「クラスの生徒さん
数名も、『ヨコタ先生は、ユイさんに
だけしょっちゅう怒っている』
という内容の話をしてくれまして…
ヨコタ先生ご自身も、ユイさんに
対して特に厳しく接していた事を
認めました…」
アスカ「え…?!どうして…?」
スズキ先生「それが…
『生徒の性格に合わせた教育を
している』と言っていて…
つまり、一人一人の
性格を見極めて、『この子には
厳しくした方が伸びる』とか、
『この子には少し甘くしないと
折れてしまう』とか判断した上で
接しているのだと…」
アスカ「えっ?それでクラスの中で、
ユイにだけ厳しく接していたって
言うんですか?!
それでユイが傷ついて、
すっかり元気を無くして
しまっているのに?!」
スズキ先生「えぇ…ヨコタ先生は
そう主張していまして…
もちろん、そんなやり方はおかしい、
すぐにやめるようにと、
厳しく言っておきましたが…
今までの事は、全て理由が
あってした事なんだと言うんです…」
アスカ「理由って…
どんな理由ですか?」
スズキ先生「例えばですね、ユイさん
が挙手をしても当てないのは、
協調性を学んで欲しかったと…」
アスカ「協調性…?授業中に手を
挙げることが、どうして協調性云々の
話になるんですか?」
スズキ先生「ヨコタ先生曰く、
ユイさんはどんな問題でも
真っ先に分かってしまって、
当てられなくても、手を挙げながら
答えてしまうそうなんです…
そのことが、クラス全体の意欲を
落としてしまっているのだと言う
主張で…」
アスカ「でも…それなら、
答えを言うのは当てられてからだよと
指導すれば、ユイはきちんと
従える子だと思うのですが…」
スズキ先生「ええ確かに…
聞き取りの結果、注意を受けて以降は、
ユイさんも黙って手を挙げられる
ようになったようなのですが…
ヨコタ先生は、あえてしばらく
ユイさんには当てないように
していたそうで…」