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【第15話】来院した母親の診察中、子供が変な手の動きを→そのサインの恐ろしい意味が…
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本編
ユウト君の所に戻ると、
まだ点滴の途中だったが、
早速タマゴサンドが食べたいと言い、
上半身を起こして片手で食べていた。
子供らしく夢中でかぶりつく様子が
可愛らしくもあり、同時に
やりきれない気持ちにもなった。
スポーツドリンクを半分ほど飲み、
バナナとプリンも平らげた後、
ようやく人心地ついたのか、
ユウト君はこれまでの話を
聞かせてくれた。
ユウト君によると、ダイキさんは
知り合ってすぐは優しく
接してくれていたらしいが、
すぐにアヤカさんの目を盗んで
手を上げるようになり、
アヤカさんと同棲を始めてからは、
アヤカさんが見ていても、
堂々と●力を振るうように
なっていったらしい…
当然アヤカさんは、ユウト君が
どんな目にあってるか
気付いてるのに、
見て見ぬ振りをしていたらしく…
最近では、アヤカさんも
一緒になって叩いたりするように
なってきた、との事だった…
(「男2人で、よくプロレスごっこ
とかしてますよ〜」なんて、
アヤカさんは言ってたけど…
実際は、ユウト君が一方的に
やられてただけだったんだ…)
さっき見た、ユウト君の
痣だらけの体が目に浮かんできた。
(私がもっと早くなんとか
出来てたら……ユウト君は、
あんな酷い目に合わなくて
済んだかもしれないのに…)
ではどうすれば良かったのかは
分からないものの、
私は後悔の念でいっぱいだった。