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【第11話】来院した母親の診察中、子供が変な手の動きを→そのサインの恐ろしい意味が…
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 アヤカさんが帰った後、担当の カウンセラーと情報を共有しつつ、 今後の治療方針として、 子育てやユウト君に関する注意を 怠らないよう、話をしたのだった。 そして次の診察日、アヤカさん...
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本編
だが、その後しばらく、
アヤカさんがユウト君を
連れて来てくれる事は無く…
アヤカさんは様々な理由を
挙げていたし、どれも、もっとも
だと思える内容だったのだけれど…
(確かに…平日の昼間、
ユウト君には保育園があるし、
アヤカさんにも都合があるだろう。
しかも、ユウト君はもうすぐ一年生…
小学校が始まれば、ますます連れて
来るのは難しくなりそう…
でも…たとえダメ元でも
「ユウト君に会いたい」と
言い続けた方がいいだろう。
誰かがユウト君を気遣っている
という事が、何かの助けになる事も
あるだろうし…)
アヤカさんはいつも上機嫌で、
治療の方の心配は
特に無いように思えた。
以前のような、子育てに関する
相談は全くしなくなり、
話題といえば、
ダイキさんと上手くいっていて、
仕事の方も順調で、
最近何かとツイている…
といったものばかりで、
毎日が楽しくて仕方がない
様子だった。
(子供の成長と共に、子育ての
悩みが減ったという事ならば、
何も問題は無いんだけど…)
アヤカ「ユウトも、今じゃ
すっかりダイキに懐いちゃって〜、
男2人で、よくプロレスごっことか
してるよ〜ww」
(プロレスごっこか……
私の思い過ごしならいいけど、
どうも不安を感じてしまう…
とは言え、アヤカさんは
幸せそうに笑ってるし……
(今、私に出来ることは、
これまで以上に慎重に診察し、
アヤカさんの言動をよく観察して、
何か変わったことがあれば、
すぐに対応できるよう、
準備をしておくことくらいだな…)