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【第6話】来院した母親の診察中、子供が変な手の動きを→そのサインの恐ろしい意味が…
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 私は必死でアヤカさんを 止めようとし、説得を試みたものの、 アヤカさんは「もう病気は治った」 の一点張りで… 強引に診察室を出て行き、 そのまま来なくなってしまったのだ。 私は結局、...
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【第1話】来院した母親の診察中、子供が変な手の動きを→そのサインの恐ろしい意味が…
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本編
スカミ「ユウト君は?
今日は一緒じゃないんですね。
元気にしてますか?」
アヤカ「元気元気〜!!
今は保育園に通ってて、
ヤンチャで困ってるんだよ〜!」
アヤカさんの話によると、
子育ての方も順調そうだったし、
何よりアヤカさん自身が、
幸せそうで、活気に溢れ、
イキイキして見えた。
私は医師として、
(ひょっとして…躁状態なのかも…)
と少し心配したものの、
アヤカさんの話を聞く限り、
毎日ちゃんと眠れているようだったし
仕事にもキチンと行き、
お客さんや職場の人との
コミニュケーションも
取れているようだった。
そもそも、双極Ⅱ型障害の場合、
軽躁状態は数日程度の、
ごく短いものだし、
いつもに比べて「ハイ」に見えたり、
「少し浮かれすぎ」という
感じを受ける場合があるとはいえ、
特に周囲に迷惑をかける事も、
問題行動を起こす事も少ないのだ。
(問題なくやれているみたいで、
本当に良かった…こうやって、
また来てくれたんだから、
このまま通院を続けてもらえれば、
今のまま、順調に暮らしていって
もらえるんじゃないかな…)
私はアヤカさんの近況を聞いて
安心し、とても嬉しくなった。
アヤカさんはその日から
また通院するようになり、
病院に来るたびに、楽しそうに日々の
報告を聞かせてくれるようになった。
そして数ヶ月後…
アヤカさんは、少し恥ずかしそうに
打ち明けてきた。
アヤカ「じつは今、気になる人が
いて…同業者なんだけどね、
仕事終わりに、店の子と
行ったご飯屋さんで知り合って…
もう何度かデートもしてるんだ…」