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【第16話】毒親の母が893の事務所に俺の履歴書を送り、俺の就職が決まった→20年後…
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本編
俺は、兄貴の心遣いに
甘える事にした。
それから20年。
当時の組長、つまりオヤジは引退し、
次のトップの最有力候補だった若頭は
病気で、後継ぎにはなれなくなった。
そこで、人望があったカノウの兄貴が
若頭に抜擢され、その勢いのまま
組長までのし上がった。
俺は兄貴に可愛がられたおかげで、
側近という立場に立ち、
近頃ついに独立。
自分の組を持つまでに至った。
今の俺は35歳にして組長、
つまりオヤジだ。
カノウの兄貴に引き立てられ、
勉強の機会も貰えたからこそ
上り詰めたんだ。
いまさらながら
ジン(俺、実は勉強できたんだなぁ。
中学ん時は、全然分んねーって
思って、勉強は適当だったっけ。
あの時頑張ってたら、もしかしたら
特待生とかになって、ふつうに
学校行けてたのかもしれないな)
学校の勉強をさぼらなきゃ
良かったなんて、時々思ったりする。
まぁ、母親に極道組織へ
履歴書を送られるとかいう、
とんでもないやり方でこの世界に
放り込まれたからこそ、勉強する
機会に恵まれたんだけどな。
そういや、母親はどうしてるだろう。
あれから20年か。
当時は若くて美人と評判だった
母親も、さすがに年齢には
勝てないだろう。どうなってるやら。
こんな事を思ったのが
悪かったみたいだ。
引き寄せの法則ってやつか?
ある日の事務所に、
女が押し掛けてきたと聞かされた。